銘醸地ボルドー地方のすぐ東隣にある南西部地方ベルジュラックの地で、1929年からワイン造りを行っているのがキュイセ家です。並級ワインが多いといわれるこの地で、ボルドーワインに匹敵するほどに収穫量を抑えることによって、大変質の高いワインを造り出しています。ヒュー・ジョンソンの「ポケットワインブック」にも、”ベルジュラックの優良な生産者”として紹介されています。セミヨン主体で、ボルドー地方と同じ品種を使っているので、ボルドーの白と比べるとコストパフォーマンスの高さが感じられます。
やや淡めの黄金色に輝く色調。徹底した温度管理のもとで造られたワインらしく、トロピカルフルーツを思わせるような、はっきりとしたフルーティで甘い香りと、ハーブのようなすがすがしい香りがこのワインの大きな魅力です。味わいもフレッシュで果実味にあふれ、しかも程良いボディと丸みがあるので、飲み応えも感じられます。微発泡が感じられ、フレッシュ感も魅力です。
さわやかで果実味も豊かな白ワインですが酸味がマイルドなので、クセのないハードタイプのチーズとの相性がいいでしょう。たとえば『コンテAOP』を合わせてみてください。比較的クセの少ない風味で、さわやかなナッツのような香りがあり、そのまま食べると良質のミルクのおいしさが楽しめます。ワインのもつさわやかさと果実味がチーズの味わいをグッと引き立てて、まるでこのチーズが造られている標高1,000mのすがすがしい高原を思い起こさせてくれます。