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日本ではなじみのないチーズ熟成士の仕事について簡単にご紹介いたしましょう。彼らはまず、農家やメーカーからチーズを買い付けてきます。このチーズ、もちろんそのまま食べても十分においしいのですが、これをさらに熟成させて、味そのものをより上質なものへと変えてしまう、まるで“魔法使い”のような職業です。
ウォッシュタイプのチーズであれば、さらにアルコールを吹きかけて熟成を進めてみたり、白カビであれば、温度・湿度を厳密にコントロールして、最良の熟成具合に仕上げたりと、その全てがまさに職人技です。
彼らは、チーズを指で押して、その指の感触だけでチーズの熟成具合を確認します。チーズの端から真ん中までまんべんなくチェックし、手触りと香りなど、五感をフルに使いながらそのコンディションを確かめるのです。その姿は、静かにチーズと対話しているようで、ある意味“芸術的”ともいえるでしょう。
フランスには、「チーズ熟成士」という職業に就いている方が多数おり、熟成士たちが腕を競うコンクールが開かれています。その中で最も権威あるものが、4年に1度開催される「M.O.Fコンクール」です。このコンクールで厳しい審査の末に勝ち残った者のみが、職人にとって最高の栄誉である「M.O.F(MEILLEUR OUVRIER DE FRANCE)」=「フランス最優秀職人」の称号を与えられます。
この審査はとても厳しく、審査員がM.O.Fに値する者がいないと判断を下した年は、コンクールの結果が「該当者なし」となり、新しいM.O.Fが誕生しないことすらあります。それゆえ、M.O.Fの称号を得た者は社会的に高い評価をうけ、フランス文化の担い手として大きな尊敬を集めるのです。日本で言えば「人間国宝」のようなものだと思えば分かりやすいかもしれません。
トゥール駅近くのLes Hallesという市場に、ロドルフ氏の妹さんが切り盛りするショップがあります。この市場には多数の店舗が並び、新鮮な野菜、焼きたてのパン、良質のシャルキュトリー、高級なショコラ、など、お気に入りの地元グルメを求めて食通たちが通っています。
ロドルフ氏のショップには、氏が得意とするシェーブルチーズをはじめ、ウォッシュチーズ、白カビチーズ、ハードチーズ、青カビチーズ、など種類ごとに美しく並んでいます。常連のお客さんが多く、リラックスした様子で会話を弾ませながらチーズを選んでいます。
そして2017年6月には、モダンなチーズビストロ [R] をオープンしました。こちらでは、ロドルフ氏の熟成チーズを用いた料理が振舞われ、氏の世界観を気軽に味わうことができます。
熟成庫は、シェーブル・白カビ・ウォッシュ・青カビ・ハードと、それぞれチーズのタイプごとに適切な温度・湿度の管理ができるよう、熟成庫が分けて作られています。
驚くべきことに、この熟成庫に加えて、さらに入荷してきた熟成前のチーズを寝かせ、適度に乾燥させるための部屋まで用意されています。徹底した管理が行われていて、氏のこだわりに感心させられます。
なかでもチーズの種類の多さに圧倒されたのは、シェーブルの熟成庫でした。
ロドルフ氏が熟成庫を構えるトゥーレーヌは、“ シェーブルチーズの一大産地”として知られているところです。日本では見ることのできないさまざまな大きさやユニークな形のチーズたちが、左右にズラリと並んでいました。
白カビとウォッシュの各熟成庫では、静かに熟成されている真っ白な「ブリー・ド・モー」が堂々と並んでいたり、すでに中心まで熟成が進んで食べごろの「カマンベール・ド・ノルマンディー」があったり…と、目が釘付けになります。ハードチーズの熟成庫も圧巻です。他の熟成庫の2倍くらいの広さで、中には木の棚がズラリ。その上には、原型のままのチーズが堂々と並べられています。「コンテ」「パルミジャーノ・レッジャーノ」「カンタル」「グリュイエール」「オッソー・イラティ」など、中には40kgを超えるチーズが1玉まるごと置かれています。ロドルフ氏は、その1つ1つの状態を丁寧に確認し、まるでチーズと会話をするように熟成具合を確かめていきます。
タイプの違うさまざまなチーズを、おいしさのピークの状態にまで昇華させる職人技は、それぞれのチーズの特性を深く理解し、熟成による状態の変化を、知識と経験によって知り尽くしているプロだからできることでしょう。
全てのチーズについていえることだけれど、まずもともとの“チーズの質”自体が良くなければ、いくら熟成してもおいしくはならない。だから、素材となるチーズ選びには本当に気を遣っています。
それは、単に“良いチーズ”と言われているものを買い付けるだけの作業ではなく、例えば「その原料となるミルクは、どんなものを食べている牛から搾られたのか?」というところまで、細かくチェックしているんですよ。
何故なら、牛が口にしている飼料の質は、ミルクの乳脂肪分や味わいにも直接影響を与えるから。季節や天候によっても、微妙に変化するものだし、それがチーズの出来にも影響して、ひいては熟成の仕上がり具合の調整にも関係してきます。全く気が抜けません。
熟成の段階に入った際には、特に温度や湿度の変化には気を配っています。ここは、熟成士によって独自のこだわりや設定があるところですね。
例えば、自分が熟成するカマンベールが運搬される際、その時点から温度は9℃に設定してある。これが、自分の熟成具合に適しているから。当然、季節によって、チーズごとに熟成庫の湿温の調整しています。
さらに、工房に届いたチーズをいったん乾燥させて、その状態を安定させてから熟成に取り掛かります。そんな“ひと手間”が、後々のチーズにの仕上がりに確実に効いてくるからです。
余談ですが、モンドールやカマンベールよりも、もっと熟成が難しいのは「シェーブルチーズ」。湿度の変化による影響も著しいからです。例えば、雨が10日も降ってしまうと、湿度が上がりすぎてしまって熟成が難しい。そういうときは湿度を最適に調整しながら熟成するような微調整が不可欠だし、状態管理に気をつかう部分ですね。
▲こちらは、ロドルフ氏自慢の「クーロンヌ・ドゥ・トゥーレーヌ」 右に行くほど熟成が進んでいます。
これからも多くの方々に、私が熟成したチーズをお召し上がりいただきたいと思います。そしてチーズを身近に感じてもらえるイベントを開催したり、熟成庫やショップへのチーズツアーも開きたいと考えています。今でも花やスパイスを使ったチーズプラトーの講座を開いたり、料理学校や小学校を訪問して子供や若者にも本当に美味しいチーズと出会える場所を提供しています。
私は話すことが好きなので、自分の言葉でチーズの奥深さを伝え、目の前にいる人々の目つきや意識が変わる瞬間をこの目で見届けていきたいですね。
ロドルフ氏が熟成庫を構えるトゥーレーヌは、ロワール川流域のシェーブルチーズの生産が盛んなエリアです。ロドルフ氏は丁寧に目利きをした上で地元の農家から作りたてのチーズを買い付け、湿度や温度を管理しながらじっくりと熟成させています。
ロドルフ氏によると、ロドルフ氏のお婆様は、山羊を飼育し、シェーブルチーズを作っていたそうですよ。