セミハードやハードタイプのチーズで出会えるかも?
え、「涙」ってなに?そんな声が聞こえてきそうですが、チーズをカットすると、たっぷり「涙」を浮かべたチーズに出会うことがあります。 先日ミモレットをカットしたときには、うるうる状態で溢れんばかりの「涙」を浮かべていて、感動してしまいました。
この「涙」の正体は、実はチーズの穴(チーズアイ=チーズの眼、と呼ばれます)に溜まった水分なのです。 チーズの穴っていうと『トムとジェリー』に出てきたような、大きな穴あきチーズ「エメンタール」を思い出しますが、ミモレットやグリュイエール、コンテといったセミハードやハードタイプのチーズには、大なり小なり穴があいていることが多いのです。
万事うまくいったチーズの勲章
しかし、穴にもいろいろあって、良い穴と悪い穴があります。悪い穴は、ギザギザッとして形がいびつなもの。もしかしたら、その周りは苦い味がするかもしれません。これはメカニカルホールといって、製造過程でちょっとした温度管理のミスがあった証拠です。
では、良い穴っていうのはどんなものでしょう?それは、穴の表面がつるんとしてつややかもの。さらに水分をたたえて、しっとりとしているものは最上級といわれます。この水分が「涙」のように見えるので、「チーズの涙」と呼ばれるようになりました。 「いいチーズは、チーズの眼(アイ)が、恋をしている娘のように潤んでないとだめなのさ」という名言(迷言)もあるとかないとか。
とにかくたっぷりの「チーズの涙」は、製造から熟成まで万事うまくいったというチーズの勲章のようなものです。チーズアイを見つけたら、しっとりしているかどうか、「涙」があるかどうか、チェックしてみてください。
「涙」たっぷりのチーズに出合ったら、思わずうれし涙(!)ですね。