
元々フルム・ダンベールと同じAOCでしたが、2002年の法令改正で独立を果たした『フルム・ド・モンブリゾン』。
フランス中南部の山岳地帯オーヴェルニュ地方のチーズです。
フォレ山脈を挟んで西側で造られているのがフルム・ダンベール、東側で造られているのがこのフルム・ド・モンブリゾンです。
どちらも形は同じですが、個性は明らかに異なります。
青カビの入り方が大理石状になるのが特徴で、これはチェダリングに似た製法によるもの。
チーズの元であるカードを細かくして塩を混ぜてから、型詰めします。
またフルム・ダンベールが立てて熟成させるのに対し、フルム・ド・モンブリゾンは杉の棚に32日以上寝かせて熟成させます。
そのため、杉の棚のリネンス菌によって外皮がオレンジ色になるのです。
淡い黄色の身に青緑色の青カビが広がり、フルム・ダンベールよりもやや強く複雑な味わい。
口当たりはねっとりとして、ミルクの甘みと香ばしいコク、ややスパイシーさも感じられます。
古代のラテン語では、チーズの型をFormaフォルマと呼び、そこからフランス語のFromageフロマージュが生まれたと言われます。
そこからFourmeフルムという呼び名が派生しました。
それが、今もチーズの名前として生きているのですね。
ワインを合わせるなら、南仏の赤ワインや甘口ワインがおすすめです。
Fourmeという言葉ができた時代に思いを馳せながら楽しんでみてはいかがでしょうか。
A.O.P(A.O.C)取得年 | 2002年 |
種類別 | 青カビタイプ |
産地/指定地域 | ロワール県の5つの自治体 |
原料乳 | 牛乳 |
熟成期間 | 最低32日間 |
形と重量 | 直径13㎝ 高さ19㎝、重さ2kg |
固形分中乳脂肪 | 最低50% |