
サレールA.O.Cは、2000年以上の歴史をもつ、オーヴェルニュ地方の古いチーズです。昔は、「フルム・ド・カンタル」と呼ばれていました。そう、この名前からも分かるように、サレールはフランス最古のチーズといわれている「カンタル」と兄弟チーズなのです。
サレールとカンタル、どちらも製造方法は全く同じ、原料乳も全く同じで、カンタルがA.O.P(A.O.C)を獲得した5年後にサレールも認定を受けました。原料乳は、名牛として有名なサレール種の無殺菌乳を使い、濃厚で、香り豊かな山のチーズの味わいに仕上げられます。ただし、サレール種は産乳量が少ないので、サレールの生産量は多くありません。そして、100%農家製(フェルミエ)で作られていることも生産量が多くない理由ですが、それもサレールの大きな特徴にもなっています。
サレールとカンタル、この2つのチーズの違いは、実は作られる時期だけです。サレールは、放牧期間中の4月15日から11月15日の7カ月で、最も牧草の豊かな時期だけに作られます。それ以外の時期に作れるのが、カンタルです。5月から10月頃のオーヴェルニュ地方の高原には、フレッシュハーブやリンドウが咲き乱れているので、これらの牧草を食べた牛の乳から作られるサレールは、カンタル以上に個性的な豊かな山のチーズの味わいがします。
サレールは、チーズ名、牛の品種名だけでなく、オーヴェルニュ地方の中心都市の名前でもあります。このサレール町には、チーズ作りに関する古い資料や道具が展示されている博物館があるのです。
A.O.P(A.O.C)取得年 | 1961年12月 |
種類別 | 非加熱圧搾タイプ |
産地/指定地域 | カンタル県、アヴェロン県、コレーズ県、オート・ロワール県、ピュイ・ド・ドーム県 |
原料乳 | 牛乳(無殺菌乳) |
熟成期間 | 最低3ヶ月 |
形と重量 | 型の直径38~48㎝、重さ30~50kg |
固形分中乳脂肪 | 最低44% |