
サン・ネクテールは、オーヴェルニュ地方のチーズです。オーヴェルニュ地方といえば、厳しい山岳地帯であり、フランス最古のチーズといわれている「カンタル」をはじめ、「ロックフォール」や「フルム・ダンベール」など、数多くのA.O.P(A.O.C)チーズを作りだしている地域としても有名です。
標高1,000mの高原、豊かな牧草など、良質のチーズ作りにはとても有利な条件が揃っています。そして、チーズ作りには欠かせない濃厚なミルクを産乳することで有名な「サレール牛」が育てられています。原種は“野牛”ともいわれている角が長い名牛で、チーズ作りに最適な良質な牛乳を与えてくれます。
こうした好条件のもとで作られるサン・ネクテールは古い歴史をもつチーズですが、ルイ14世の食卓に登場したことがきっかけで、有名なチーズの仲間入りしました。
その味わいは、ねっとりとした口当たりが特徴です。甘味よりも塩味がきつく、強い風味のあるクセのあるチーズです。ミルクの芳醇な香り、というようなものではなく、ワラの乾いた匂いがします。チーズに貼られた緑のカゼインマークが、楕円形の形をしていたら農家製(フェルミエ)、正方形なら工場製(レティエ)と見た目で区別できるようになっています。
A.O.P(A.O.C)取得年 | 1955年12月 |
種類別 | 非加熱圧搾タイプ |
産地/指定地域 | ビュイ・ド・ドーム県、カンタル県 |
原料乳 | 牛乳 |
熟成期間 | 大型/最低28日間、小型/最低21日間 |
形と重量 | 大型/直径約20~24㎝、高さ3.5~5.5㎝、重さ1.85kg以下 小型/直径12~14㎝、高さ3.5~4.5㎝、重さ650g以下 |
固形分中乳脂肪 | 最低45% |