
ホエー(乳清)から作るものとして最も有名なチーズが、コルシカ生まれの『ブロッチュA.O.P(A.O.C)』です。フランスでは“ブロッチョオ”とも呼ばれます。
ブロッチュと一口にいっても、「2日間熟成」タイプのものと、「21日間熟成」のものと2種類あります。コルシカでは、そのまま食べるだけでなく、オムレツなどに入れたり、ライムソースの冷菓や焼き菓子など、デザートにも使われています。コルシカの人たちが大好きなチーズ『ブロッチュA.O.P(A.O.C)』とは、どんなチーズなのでしょうか。
ブロッチュの産地コルシカ島は、地中海に浮かぶ島です。フランス人は、この島を“イル・ド・ボーテ”と呼びます。美しい島、南の楽園コルシカです。ナポレオンがコルシカ出身というのは有名な話ですよね。
作りたてのフレッシュタイプのブロッチュは、大変美味だといわれています。ブロッチュはフレッシュチーズなだけに、時間とともに、水分が抜け、歯ざわりが固くなってしまいます。話によると、ナポレオンの母親は「作りたてのおいしさには何物にも変えられない」と、コルシカの山羊をわざわざパリに取り寄せてブロッチュを作らせたというエピソードが残っているほどですから、そのおいしさに期待が高まります。
ただし、残念ながら、日本国内では作りたてを味わうことは幻に近いかもしれません。コルシカを訪れる機会があったら、ぜひ作りたてを味わってみたいものです。しかし、現地にいても本当の作りたてにはなかなか巡り合えないとのこと。なおさら“幻のチーズ”として期待だけが高まりますよね。
ブロッチュもそうですが、フレッシュチーズは“鮮度”が命です。フランスのチーズ屋さんに行くと、ガラスのボウルに入ったフレッシュチーズが目にとまります。その味わいはとってもジューシーで、口いっぱいにチーズの甘味が広がります。現地でチーズを楽しむとき、フレッシュチーズを味わうのはとっても貴重なチーズ体験になりますので、ぜひ機会があるようでしたら探してみてください。
A.O.P(A.O.C)取得年 | 1998年6月 |
種類別 | ホエー・フレッシュタイプ |
産地/指定地域 | コルシカ全島 |
原料乳 | 羊乳、山羊乳、または混乳のホエーに羊、山羊の全乳を加える |
熟成期間 | フレッシュは熟成なし、熟成タイプは最低21日間 |
形と重量 | 250g~3kg |
固形分中乳脂肪 | 最低40% |