
1995年6月にA.O.P(A.O.C)申請をして、2002年5月にようやくA.O.P(A.O.C)を取得したチーズが『シュヴロタン』です。
例えば、2000年にフランスで38番目のA.O.P(A.O.C)を取得した『モルビエ』も、1991年から申請していました。この2つのチーズの取得までの年月を計算すると、現在A.O.P(A.O.C)を取得しようとすると、かなり長い時間を要することがわかります。そして、農業大国フランスの厳しい審査や考え方がうかがえます。
またA.O.P(A.O.C)ブランドのチーズは、取得するまでが大変なだけではなく、取得した後もその厳しさは続くのです。規定を違反した者には罰金が課せられるだけでなく、懲役刑まであるというから、その徹底ぶりには驚かされます。A.O.P(A.O.C)の規定はとても細かくて厳しい条件ですから、ブランドを維持するには並大抵の努力でないことも改めて感じます。
『シュヴロタン』は、チーズ好きの方々には評価が高いチーズの1つです。山羊の山のチーズの醍醐味が味わえると、特に山のチーズが好きな方々に好評です。シュヴロタンの良さは、その豊かな香りにあるといってよいでしょう。木の実や花の香りなど、旬の季節ほど、その芳醇な香りがします。そして口当たりも良く、クリ-ミーな味わいなので、山羊乳のチーズではありますが、幅広い方に愛されています。山羊くささが少ない“アルピーヌ種”の山羊乳を使用しているからこそのお味なのかもしれません。
ちなみにその芳醇な香りを存分に一杯味わうには、シュヴロタンの旬である夏を逃さないようにしてください。
A.O.P(A.O.C)取得年 | 2002年5月 |
種類別 | シェーブルタイプ(非加熱圧搾) |
産地/指定地域 | オート・サヴォワ、サヴォワ両県の指定村落 |
原料乳 | 山羊乳(無殺菌乳) |
熟成期間 | 最低21日間 |
形と重量 | 直径9~12cm、高さ3~4.5cm、重さ250~350g |
固形分中乳脂肪 | 最低40% |