
『ラングル』といえば、上面中央にくぼみがあり、一目でわかる形をしています。フランスでは、このくぼみを“フォンティーヌ(泉)”と呼びます。外観は脳みそを連想させるようなしわくちゃな形で、明るい黄色、味は塩味は強めですが、味わいはクリーミーでミルキーで、旨みが口一杯に広がります。
ラングルはシャンパーニュ地方のラングル高原で作られるので、この名前がつきました。シャンパーニュ地方は、セーヌ河とマルヌ河が流れ、野原や丘が続くようなのどかな風景も残っています。シャンパーニュ地方といえば、天使の絵で有名な白カビチーズ『カプリス・デ・デュー』もシャンパーニュ出身のチーズです。
ラングルは、1991年にA.O.P(A.O.C)を取得しました。それまでは、シャンパーニュ地方と、パリ近郊の一部で出まわるだけのチーズでした(シャンパーニュ地方はパリの近くにあります。)。
そのため、地元でのこのチーズの食べ方はワイン産地特有のユニークさがあります。表皮を取り除き、くぼみの泉の部分にシャンパーニュや、ブルゴーニュの「マール」を注ぐというものです。マールは、ぶどうの絞りかすから作るブランデーで、日本人ではなかなかこの発想は思いつかないかもしれません。地元の風習に習い、そのとおりに味わってみるのもまた楽しいものかもしれませんね。完全に再現はできないかもしれませんが、国々の文化を尊重しつつ、日本風にアレンジしてみるといいでしょう。
ラングルにはフルボディの赤ワインなどが合います。強めのワインでないと、このチーズの味わいに味がおされてしまいます。ラングルの口あたりの良さは、魅惑的です。とろけ出す口どけをお楽しみください。
A.O.P(A.O.C)取得年 | 1991年5月 |
種類別 | ウォッシュタイプ |
産地/指定地域 | オート・マルヌ、コート・ドール、ヴォージュ |
原料乳 | 牛乳 |
熟成期間 | 大型/21日間、中型/最低18日間、小型/最低15日間 |
形と重量 | 大型/型の直径16~20㎝、重さ800~1300g 中型/型の直径9~10㎝、重さ280~350g 小型/型の直径7~8㎝、重さ150~250g |
固形分中乳脂肪 | 最低50% |