
世界3大ブルーといえば、フランスのロックフォール(Roquefort)、イタリアのゴルゴンゾーラ(Gorgonzila)、イギリスのブルー・スティルトン(BlueStilton)ですよね。中でもロックフォールは古株中の古株、なんと2000年以上の歴史を持ちます。BC20頃誕生し、AD800年頃シャルルマーニ大帝ロックフォールを賞味したという文献が残っているほどです。
驚くべきこだわりをご紹介しましょう。ロックフォールAOCの熟成場所は、ロックフォール・シュル・スールゾン村の洞窟だけなのです。フルリーヌと呼ばれる、洞窟特有のすきま風が熟成に最適な環境を作り出しているそうで、洞窟の中は常に、摂氏9℃、湿度は95%。想像してみてください。なんて寒くて、ジメジメしたところなんでしょう。村を限定、しかも自然の洞窟に限るという、そのこだわりにはこんな理由があったのです。
ロックフォール・シュル・スールゾン村の周辺は昔火山地帯でした。雨が多く作物は育たない、しかも岩山がゴツゴツしている。この環境にもう一つのロックフォールが生まれた理由があるのです。
ロックフォールといえば、羊乳のチーズの代表格。そう、もうひとつの産物はそこで育つたくましい羊達の良質の乳です。厳しい環境で育った羊ほど濃厚な乳が出るのです。羊乳の特徴といえば、脂肪・たんぱく質など乳固形がリッチなこと(アイスクリームもそうだけどおいしいものって脂肪リッチなものが多いんですよね)。その乳が良質なんですからロックフォールがおいしいわけです。ちなみに、羊乳の単価は牛乳の約3倍といわれています。
そんな特有の環境が作った、こだわりの名品チーズがロックフォールなのです。青カビのピリっとした辛口の味わいと羊乳特有の脂ののった濃厚な味わいの絶妙なバランス、芳醇な香り。グルメに愛され続ける、最高級の青カビチーズを知りたいならロックフォールAOCで決まりでしょう。
A.O.P(A.O.C)取得年 | 1925年 |
種類別 | 青カビタイプ |
産地/指定地域 | アヴェロン、オード、ガール、エロー、ロゼール、タルン |
熟成指定場所 | アヴェロン県ロックフォール・シュル・スールゾン村の洞窟 |
原料乳 | 羊乳(無殺菌乳) |
熟成期間 | 最低3ヶ月 |
形と重量 | 直径19~20㎝、高さ8.5~11.5㎝、重さ2.5~3kg |
固形分中乳脂肪 | 最低52% |