
『ペラルドンA.O.P(A.O.C)』は、37番目のA.O.P(A.O.C)を獲得したチーズです。それ以前には、「ペラルドン・デ・セヴェンヌ」と呼ばれていて、これは“山羊チーズ”という意味の地元の方言が由来になっているそうです。
ペラルドンは、小型のシェーブルチーズです。1個の重さが60g、直径でみると6~7cmですから、かなり小さいチーズです。鶏卵の「L玉1個」の重量が60gほどですから、その小ささのイメージが何となく分かっていただけるのではないでしょうか。
このチーズや『ロカマドゥール』(1個35g)など、シェーブルチーズには小さいサイズのものが多いのですが、何故だかお分かりになりますか?その理由は、山羊乳でできたチーズはとても脆く壊れやすいので、全体的に小さいサイズのチーズが多くなったようです。
このペラルドンの味わいは、“洗練された味わい”というようより、少し“粗野”な感じがします。石のように固くなった状態を見たことがありますが、本来は牧草の風味をかすかに残しつつ、フレッシュな柔らかさと爽やかな酸味のバランスの良さが、このチーズの特徴だといえます。
ペラルドンの産地はスペインの国境近くのラングドック地方、フランスの南に位置します。そこは荒れたセヴェンヌ山脈沿いの高地。生活には厳しいこの荒地は、山羊に良質なミルクを作らせます。このため、ペラルドンのミルク感はとっても濃厚です。よく似たチーズに『ピコドン』がありますが、両者を比較すると、ペラルドンの方がより、山羊ミルクのやわらかな味わいを持っています。
A.O.P(A.O.C)取得年 | 2000年8月 |
種類別 | シェーブルタイプ |
産地/指定地域 | ガール県、エロー県、オード県、タルン県 |
原料乳 | 山羊乳(無殺菌乳) |
熟成期間 | 最低11日間 |
形と重量 | 直径6~7cm、高さ2.2~2.7cm、重さ60g |
固形分中乳脂肪 | 最低45% |