
『ブルー・デ・コースA.O.P(A.O.C)』は、クリーミーで、ミルク感たっぷりの青カビチーズです。脂肪分も50%と高く、脂肪由来のとろけるような甘味があります。熟成が進むにつれ風味が強くなり、男性的な強さを感じさせますが、味わいはいつでもまろやかで食べやすく、絶妙なバランスです。チーズ通の方にもファンが多いチーズであることにも納得できる味わいでしょう。
ブルー・デ・コースは、羊乳から作られる『ロックフォール』と比較され、“牛乳版ロックフォール”といわれます。その由縁は、形や熟成方法が似ているからです。しかし、よくよくこのチーズの生い立ちを調べると、ロックフォールを真似て作り始めたチーズということが分かり、「似ていて当然」であるともいえるでしょう。
この両者は、ともに熟成方法に大きな特徴があります。場所は、石灰岩の大地にあいた自然の洞窟の中。ここは、湿度がとても高くジメジメとしていて体感温度はヒンヤリとしています。“フルリーヌ”と呼ばれるすきま風が調整役となり、湿度と温度を一定に保っている点が特徴的です。
この両者の産地は、ともにルエルグ地方です。近隣のオーヴェルニュ地方には、『ブルー・ド・ヴェルニュ』、『フルム・ダンベール』の産地であり、これらフランスの南に位置する一帯は青カビチーズの名産地です。山岳地帯のこの一帯は、もともと休火山から成り立ち、それは高い高い高原や険しい岳陵に囲まれています。他にもフランス最古の『カンタル』など、いくつものA.O.P(A.O.C)ブランドのチーズがこの地から生まれています。
こうやって見てみると、ともにこの地で生まれた同じ青カビチーズである『ブルー・デ・コース』と『ブルー・ド・ヴェルニュ』や『フルム・ダンベール』の味わいの違いに興味がわいてきませんか?
ぜひ同時にお買い求めいただいて、食べ比べてみてください。青カビの強さの違い、辛さ、クリーミーさの違いが、ものの見事に感じられ、あなたの嗜好を知るとても良い機会になりますよ。
A.O.P(A.O.C)取得年 | 1979年5月 |
種類別 | 青カビタイプ |
産地/指定地域 | アヴェロン県、ロット県、ロゼール県、ガール県、エロー県 |
原料乳 | 牛乳 |
熟成期間 | 最低70日間 |
形と重量 | 直径19~21㎝、高さ8~12㎝、重さ2.2~3.3kg |
固形分中乳脂肪 | 最低50% |