
この『カンタル』は2,000年以上も昔から作られていて、『ロックフォール』、もしくはこのチーズがフランス最古のチーズだろうと伝えられています。古くは23~79年頃に作成された博物学者のプリニウスの博物誌にも記述が残っているほど歴史があるチーズ、それが『カンタル』なのです。
このチーズはオーベルニュ地方産のチーズです。オーベルニュ地方といえば、多くのA.O.P(A.O.C)チーズを産み出しています。『ブルー・ド・ヴェルニュ』、『ブルー・デ・コース、フルム・ダンベール』、『サン・ネクテール』、『サレール』。オーベルニュ地方は火山帯やおだやかな山並みが続く土地で、自然の厳しさと豊かさが共存している場所なのです。
チーズ料理の中でも特に有名な伝統料理アリゴを作る際、なかなか入手できない“幻のチーズ”とも呼ばれている『トム・フレッシュ・ド・ライオル』の代わりに、このカンタルを使うこともあります。
ジャガイモのピュレ、バター、熱い牛乳と、チーズを加え、練り上げるだけの簡単な料理で、ソーセージなどの付け合わせにしたり、パンにのせたりします。オーベルニュ地方ではソースの中にみじん切りにしたベーコンやオニオンをいれます。もちのようにのびるソースは、それだけでパフォーマンスもあり、とっても簡単に作れるので、是非1度試してみてはいかがでしょうか。素朴な味わいにフランスのチーズ料理の原点を垣間見たような気持ちになるかもしれませんよ。
A.O.P(A.O.C)取得年 | 1956年5月 |
種類別 | 非加熱圧搾タイプ |
産地/指定地域 | カンタル県、アヴェロン県、コレーズ県、オート・ロワール県、ピュイ・ド・ドーム県 |
原料乳 | 牛乳 |
熟成期間 | ジュンヌ/30~60日間 アントル・ドゥー/90~210日間 ヴュー/最低240日間 |
形と重量 | カンタルまたはフルム・ド・カンタル/型の直径36~42㎝、重さ35~45g プチ・カンタル/型の直径20~22㎝、重さ8~10kg |
固形分中乳脂肪 | 最低45% |