
『ルブロション・ド・サヴォワA.O.P(A.O.C)』といえば、サヴォア地方の名産品の1つです。このサヴォア地方は近くのドフィネ地方とともにアルプス山岳地帯として有名で、モンブランなど標高の高い山々に囲まれています。
そしてチーズ通の間では数多くのA.O.P(A.O.C)チーズを生み出してきた土地としその名を知られています。『アボンダンス』、『ボーフォール』、『ピコドン』、『トム・デ・ボージュ』、『シュヴロタン』などが名をつらねます。
この地方の他の名産品といえば、サラミ、ベーコンなどがあります。これら名産品を見て何か共通点を感じませんか?そう、キーワードは“保存食”です。チーズももとをたどれば保存食ですので、この地方で古くから作られていたのも頷けます。さらに、この土地の人は、じゃがいもをよく食べるそうです。この土地の有名料理はグラタン。グラタンといえばチーズを使ったおいしいメニューの代表の1つですよね。この土地での生活にはチーズが根付いているのです。
その背景には、この地方の厳しい冬が関係しているといえます。標高3000m級の山々に囲まれた土地での冬を想像してみてください。それはそれは雪深く寒さもひときわ、長く厳しい冬でしょう。この土地に住む人々の人柄は実直そのものと聞きます。何となく、親しみがわいてきませんか?そして牛たちが放牧される夏から秋にかけては、空気はすみきり、牧草もハーブ混じりの豊かな環境だそうです。こういう土地と人柄だからこそ、今でも新たなA.O.P(A.O.C)チーズを生み出せるのかもしれませんね。
ルブロションといえばフランス人が最も好きなチーズの1つだそうです。この話を聞いたとき少し意外に感じました。チーズを食べなれた人々だけが知りえるおいしさが、この『ルブロション』にはあるのかもしれません。それを確かめるためにも素朴な山岳チーズを実際に味わってみてください。その価値は充分にあるはずです。
A.O.P(A.O.C)取得年 | 1958年4月 |
種類別 | 非加熱圧搾タイプ |
産地/指定地域 | サヴォワ、オート・サヴォワ |
原料乳 | 牛乳(無殺菌の全乳) |
熟成期間 | 最低15日間 |
形と重量 | 大型直径14cm、高さ 3.5cm、重さ 450~550g 小型直径 9cm、高さ 3.5cm、重さ 230~280g |
固形分中乳脂肪 | 最低45% |