
マンダリン、レモン、オレンジ。
3つの柑橘が織りなす、爽やかな余韻。
地元の素材の旬の味わいを信じて、そのおいしさをショコラに乗せ、日本のお客様に届けたい。
カンプリニ氏がショコラ作りで大切にしてきたのが、故郷・南仏の「テロワール」です。
プロヴァンスの太陽をたっぷり浴びた柑橘。
爽やかな香り、みずみずしい酸味、そしてほのかな苦み。
その土地で育った素材のおいしさを、ショコラを通して表現してきました。
今回ご紹介するのは、「アグリュム・コンフィ・オ・ショコラ」。
「アグリュム(Agrumes)」とは、フランス語で「柑橘類」という意味。
その名の通り、南仏の柑橘を主役にした、カンプリニ氏お気に入りのスペシャリテです。

使うのは、南仏の信頼する農家から届くフレッシュな柑橘。
時間をかけてじっくりと砂糖で煮詰め、コンフィに仕上げることで、果実本来の香りや酸味、甘み、ほのかな苦みを閉じ込めています。
そこに合わせるのが、ほろ苦いダークショコラ。
余計な素材を重ねるのではなく、できるだけシンプルに仕上げるからこそ、口にした瞬間、柑橘の個性が鮮やかに広がります。
「あ、マンダリンだ」
「レモンが爽やか!」
そんなふうに、素材の輪郭がはっきり感じられるのもカンプリニ氏ならでは。
今回は、マンダリン、レモン、オレンジ。 同じ「柑橘×ショコラ」でも驚くほど表情の違う、3つの味わいをお届けします。

マンダリンは、日本のみかんにも近い、甘く華やかな香りが特徴の柑橘です。
オランジェットは多くのショコラティエが手掛けますが、実はマンダリンを使ったものは珍しいそう。
その理由は、皮の薄さにあります。
皮の厚いオレンジなら、そのままコンフィにしてショコラをまとわせることができますが、繊細なマンダリンの皮ではそうはいきません。そこでカンプリニ氏は、マンダリンの皮を一度ペースト状にし、形を整えてからダークショコラでコーティング。
「ひと手間かけてでも故郷の果実をショコラにしたい。」
南仏の素材を愛するカンプリニ氏らしい一品です。
口にすると、ダークショコラの軽やかな歯触り。
その内側から、柔らかなマンダリンがほろりとほどけます。
そしてふわっと広がるのが、マンダリンの甘く華やかな香り。
コンフィならではの凝縮した甘みに、柑橘の爽やかさとわずかなほろ苦さ。ダークショコラがほどよく寄り添い、果実の存在感を引き立てます。

実はカンプリニ氏自身、酸味のある味わいが大好き。
レモントリュフやレモンのガナッシュもお気に入りなのだそうです。
そんな彼らしさを感じさせるのが、このレモン・コンフィ。
爽やかなレモンのコンフィにダークショコラを合わせ、さらにアーモンドを加えて香ばしさと食感をプラスしました。
3種類の中でも、ひときわ表情豊かな一品です。
まず広がるのは、レモンらしいフレッシュな香りとほどよい酸味。
そこへダークショコラのほろ苦さが重なり、さらにアーモンドの香ばしさとザクザクとした食感が追いかけます。
爽やかさ、甘み、ほろ苦さ、香ばしさ。
ひと口の中で次々と表情が変わる、大人っぽく上品な味わいです。

「レモンの酸味を感じたあとに、濃厚なダークショコラとアーモンドの香ばしさ。ザクザクした食感まで楽しく、爽やかな余韻が残ります。」

柑橘とショコラといえば、やはり外せないのがオレンジ。
じっくりとコンフィにしたオレンジをダークショコラで包み、ミルクショコラのラインで美しく仕上げました。
素材を複雑に重ねるのではなく、オレンジとショコラの相性そのものを楽しむ王道の組み合わせ。
シンプルだからこそ、カンプリニ氏の素材選びと丁寧な仕事が感じられます。
外側のショコラは軽やかにパリッ。
中のオレンジ・コンフィは、しっとり柔らか。 ダークショコラの深みをしっかり感じられる一品です。
最初にカカオのほろ苦さが広がり、そのあとからオレンジの甘い香りとほのかな酸味がゆっくりと追いかけてきます。
最後にふわりと残る、オレンジの甘く爽やかな余韻も、このショコラの魅力です。

「3種類の中では一番やさしい印象でした。柑橘が強く主張するというより、ショコラと自然に溶け合っていて、苦すぎず甘すぎず、大人っぽい味わいです。」

カンプリニ氏のおすすめは、冷蔵庫から出してすぐではなく、室温に戻してから味わうこと。
ショコラがほどよくほどけ、柑橘の香りや風味がより豊かに広がります。
合わせるなら、繊細な香りを邪魔しない温かい紅茶がおすすめ。



ミシュラン三つ星レストランでシェフ・パティシエを務めた後、製菓学校の講師や製菓関連企業の商品開発に携わる。2007年よりカンヌ郊外のアトリエにて、最高級ホテルにショコラやコンフィズリーを提供。2012年4月、ヴァルボンヌにブティックをオープン。2019年にはカンヌに2号店となるブティックをオープンした。旬やテロワールにこだわり、素材に真摯に向き合う、南仏を代表するショコラティエ。

1964年ニース生まれ。1989年~1991年ミシュラン二つ星「ホテル・ネグレスコ」でスーシェフ・パティシエを務める。1990年フランスデザートコンクール・ファイナリスト。1991年~1993年ミシュラン三つ星「ルイXV」でシェフ・パティシエを務める。1994年アルパジョンコンクール(飴細工部門)でアーティスティック賞を受賞。1996年~1999年ミシュラン二つ星「ラ・バスティード」でシェフ・パティシエを務める。2001~2006年カカオ・バリー使者、エディアール顧問を務める。2004年MOF(フランス国家最優秀職人)ショコラティエを取得。2007年アルティザン・ショコラティエを取得。

MOF(Meillerur Ouvrier de France/フランス国家最優秀職人)は、フランス文化を担う最も優れた継承者たるにふさわしい高度な技術・知識を持つ職人にのみ授与される称号で、その栄誉は日本の人間国宝に相当。フランス労働省の主催で、社会的にも大変高い評価を受けます。ベル氏、アヴェッカー氏、カンプリニ氏は、ショコラトリー部門の数少ない称号保持者。MOFを取得した者のみがコックコートの襟にトリコロールカラーを使用できると、法律で認められています。

ショコラティエのロゴ付きギフトバックもご用意いたしました。
ギフトバッグのサイズは約20cm×約19cm×約11cm。
お手持ちのプレゼントにぴったりです♪ ご一緒にいかがでしょうか?
マンダリン、レモン、オレンジ。
同じ「柑橘×ショコラ」でも、それぞれ香りや酸味、余韻は驚くほど違います。
ぜひ3種類を食べ比べながら、南仏の柑橘をめぐる小さなテイスティングをお楽しみください。
スタッフ試食コメント
「マンダリンの香りとジューシーな味わいがとても鮮やか。ダークショコラは果実を邪魔せず寄り添いながらも、きちんと存在感があります。」