シェーブルの熟成は他と違う?
前回に続き、今回もシェーブル(山羊乳チーズ)の話題をひとつ…。
みなさんはチーズの熟成についてどのくらいご存知でしょうか?熟成とは、チーズを一定の条件の温度と湿度において、状態の変化を促すこと。硬かったチーズがとろ~っとなるのも熟成によるものです。また、チーズのたんぱく質がグルタミン酸など旨み成分を含むアミノ酸に変化することで、旨みがグンと増すのも熟成のおかげなのです。でも、これはプロならではの仕事。特別な倉庫や技術、細かな手間などが必要で、一般の家庭でチーズを上手に熟成させるのは至難の業なので、上手に熟成されたチーズを購入するのが一番です。
しかし、比較的簡単に熟成ができるのがシェーブルチーズなのです。実はシェーブルチーズは、他のタイプのチーズに比べて熟成方法が微妙に違います。通常、チーズは湿度90~100%、温度10℃くらいのところで熟成させるのですが、シェーブルはやや乾燥させながら熟成させるので湿度は80%くらいで充分です。そこで、冷蔵庫の野菜室を上手に利用して、熟成シェーブル作りにチャレンジしてみましょう。
自分で熟成させれば格別の味
- まず、まだ熟成の進んでいないフレッシュな状態のシェーブルチーズを購入します。
フレッシュさの見分け方は、水分をたくさん含んでいるかどうか。
木炭がついているものはまっ黒なものを選びましょう。
木炭がついていなければ、まっ白なものを選べばOKです。 - 次にサランラップをふんわりとかけて、全体を覆います。
- 冷蔵庫の野菜室に入れ、このまま放置します。
ただ、最初の1カ月は、チーズ自体が持っている水分で蒸れてしまわないように、2日に1回はラップを取り変えましょう。
食べ頃は1カ月を過ぎた頃から。チーズの中の水分がどんどん飛んでいき、口当たりはまるで栗のようにホックリ。酸味はマイルドになり、旨みがグッと増した味わいになります。秋の夜長に、赤ワインのおつまみにピッタリの味わいの熟成シェーブル。自分で熟成させれば格別の味となるはずです。