チーズは人気食品です
実は、チーズ・ナチュラルチーズは、年々、消費量が急激に伸びています。
農林水産省が毎年発表している「チーズの需給表」をチェックしてみると、2006年度(平成18年)のチーズの消費量は、過去最高記録の「27万トン」を突破!今まさに、史上最高にチーズが消費されている時代になったのです。
ナチュラルチーズやプロセスチーズを問わず、いずれも消費量は伸びていますので、チーズに関わる人間としては嬉しい限りですね。
一方、輸送費や輸入費も高くなっています
しかし、チーズをとりまく状況は決して手放しで喜べるほど楽観的なものではなく、実は何かと厳しいのです。
まず、輸入チーズの場合は「ユーロ高」。仕入れ値が上がってしまうのですから大変です。また、空輸にしろ船便にしろ、原油代の高騰もチーズの価格に影響してきています。でも、そんな中でも、輸入ナチュラルチーズの消費量は伸びているんですから喜ばしいことです。
プロセスチーズはどうかと言うと、これまたかなり厳しい状況に置かれています。
国産のプロセスチーズの多くは、オセアニア地区から原料となるナチュラルチーズを輸入しているのですが、オーストラリアはここ数年の「干ばつ」が影響して、乳価が高くなっています。牛のエサとなる穀物も干ばつの影響で不足し、輸入せざるを得ない状況。このため、原料のチーズも、ここ数年はひたずら右肩上がりで値上がりしています。そうなるとプロセスチーズの販売価格も値上げせざるを得ない状況になってしまうのです。
でも、それでもプロセスチーズの国内消費量は伸びているんです。チーズ業界を取り巻く環境はとても厳しいにも関わらず、チーズの人気は上昇している。つまり“チーズ業界にはまだ輝かしい未来がある”ってことですね。今の世の中、これはスゴイことですよね。改めてそう感じました。
( ※ この記事は2006年のデータを元に執筆しています)