「ナタマイシン」って聞いたことがありますか?
チーズの好きな皆さんなら、チーズのパッケージや包装についている原材料の欄に、「ナタマイシン」の文字を見つけたことがあるかもしれません。これは“食品添加物”のこと。チーズに不要なカビが生えないように使われる抗生物質なのです。
食品添加物にナタマイシン(別名ピマリシン)が加わったのは、2005年11月28日でした。昨年のことなので、つい最近ですね。食品衛生法施行規則の一部改正(厚生労働省令 第165号)が公布され、追加されました。
ナタマイシンは、ハードチーズやセミハードチーズの表面に用いる場合にのみ使用が許されています。例えば、ゴーダチーズのワックスの下のチーズの表面に用いられたりします。
ただ、ナタマイシンの解禁に関しては、多くの議論があり、反対をする人も多くいたようです。ナタマイシンは抗生物質なので、「食品は、抗生物質を含有してはならない」という考えが根強くあります。また、耐性菌の出現も危ぶまれています。
ヨーロッパでは流通しています。
ただ、ヨーロッパでは、チーズへのナタマイシンの使用は認められています。ですから、これまでナタマイシンの使用が認められていなかった日本では、これを使ったチーズは輸入をすることができませんでした。今回の解禁により、輸入されるようになり、原材料に「ナマタイシン」と表記があるチーズが登場するようになったのです。
この件に関しては、“抗生物質”が使われていることに抵抗のある方もいらっしゃるかもしれません。これは仕方ないことでしょう。ナタマイシンについての情報自体が少ないので、まだまだ理解されていないのが現状です。しかも、食品に抗生物質を使うのは、実はナタマイシンが初めて。抵抗感があって当然です。
ヨーロッパでの使用状況や身体や環境に対する影響などについては、もう少し解明をされていく必要があると思います。皆さんも、ちょっとだけ気にしてみてください。自分が食べる食品のことですから、ね。