気候がポイント
一口にチーズといっても、その形は小さいものから大きいものまで、本当にさまざまです。その中でも特に、ハードチーズには大きなものが多いのが特徴です。というのも、ハードチーズが作られているのが「山岳地帯である」ということが最大の理由なのです。
ご存知のように、気温が低くなる山岳地帯は、冬になると雪に覆われてしまいます。そんな時、一番身近なたんぱく源がチーズなのです。牛を放牧できる夏にたくさんチーズを作っておき、それを冬の間、大切に食べるというのが昔ながらの生活スタイルでした。
気楽に行き来できない生活ですから、大切なたんぱく源のチーズが傷んでしまっては困ります。そのため、塩分がしっかり浸透しやすく、かつ、取扱いやすい形に進化していった結果、大きく平らな形が主流となっていったわけです。
特に大きなものはなんと100kg以上
世界で一番大きなチーズとして有名なのが『エメンタール』です。
スイス産のチーズですが、現在では世界中で作られています。チーズのイラストを描くとしたら、大きな“穴あきチーズ”を思い浮かべられる方も多いかと思われますが、あの“穴あきチーズ”こそエメンタールチーズです。スイス産のものは、大きいものだと「100kg」以上もあるのです!
もちろんこのままでは大きすぎる、重すぎるので、日本にはある程度カットされて真空パックで輸入されていることも多いチーズです。
大きなチーズを見かけたら、山国の生活にも思いをはせてみてください。大きなチーズは、まさに「アルプスの少女ハイジ」の世界のチーズなのです。