10時限目、 11時限目 で、フランスAOP(AOC)チーズについてご紹介しました。
今回はさらに、3つのチーズについてご紹介したいと思います。
サヴォワ地方の素朴なチーズ2種
まずは『シュヴロタン』と『ドム・デ・ボージュ』です。「どんなチーズなのか食べてみたいわ!」という方もいらっしゃると思いますが、生産量も少なく、なかなか日本には出回らないチーズなので、皆さんのお目にかかることは残念ながらほとんどないかもしれません。
『シュヴロタン』はルブローションによく似たシェーブルチーズです。山に山羊を放牧して作られている、農家製の伝統的なチーズ。出回るのは6月~9月頃まで。クリーミィでなめらかな生地と、ふんわりとしたミルキーでやさしい味わいが特徴です。
『トム・デ・ボージュ』は素朴な山のチーズ。表皮はびっしりとカビに覆われ、厚い表皮になっています。こちらも山に牛を放牧して、その乳で作られている伝統的なチーズです。エピセアの棚の上で熟成させることでフルーティな香りを持ちます。
独特なアロマの包みチーズ
今年の7月にAOP(AOC)を取得した『バノン』です。プロヴァンス地方産のシェーブルチーズで、栗の葉っぱでくるまれている、一見、桜餅を思わせる可愛らしいチーズです。小型の円盤型にまとめたチーズをブランデーにくぐらせてから葉でくるむのですが、本物の栗の葉っぱでくるんでいるものと、紙の葉っぱでくるんでいるものと二つあります。風味がよいのはやはり本物の葉っぱのほう。
こちらは日本でも出回っていますので、『バノン』を店頭などで見つけたら、どうぞお試しください。ふんわりと漂う栗の葉の香りに、ブランデーの香りと芳醇な山羊乳の味わい…。幸せな気持ちになれるチーズです。