古代からチーズを食べていたギリシア
皆さん、『フェタ』というチーズをご存知ですか?ギリシア生まれのこのチーズ、とっても歴史のあるチーズなんです。
チーズの発生は中近東、いまのイラクのあたりなのですが、その後、チーズ作りはギリシアに伝播します。さらにローマに伝わり、ローマ帝国の広がりとともにヨーロッパ中に広がっていきました。
このためギリシアという国は、まさにギリシア神話の時代からチーズを食べていたともいわれる、チーズの歴史を垣間見ることのできる土地なのです。そもそもギリシアの国土は岩場が多く、農耕には適していませんでした。ですから、家畜からミルクをとり、それから熱心にチーズを作っていたというのも納得できますね。
今でもギリシア人の皆さんはチーズが大好きのようで、その消費量はなんとヨーロッパNO.1!! 一人あたりの年間消費量はフランスの22kgを抜いて、なんと25kg! さらに、その多くがフェタなのです。歴史の面でも、量の面でも、フェタはギリシアを代表するチーズということがおわかりいただけるでしょう。
塩辛さは暑い国ならでは
フェタの作り方は、昔とほとんど変わりません。酸を入れて固めたミルクを型に入れ、プレスし、1日以上脱水させます。それに乾いた塩をまぶしてしばらく置いたら、塩水につけて保存します。冷蔵庫などない時代に、暑いギリシアで上手にミルクを保存する方法だったのです。
さて、フェタの美味しい食べ方ですが、塩がしみていてしょっぱいので、まず水につけてしっかりと塩抜きをしてください。あとは、さいの目に切って、サラダにパラパラと散らせば、ギリシア風サラダのできあがり!! あっさりしていて、ポロポロとしたチーズの食感が独特ですよ。衣を付けてフライにしてもおいしいです。
食べやすいフェタもあります
ところで、最近はデンマークでもフェタがたくさん作られるようになりました。なんとギリシアもデンマークから輸入していたりもするのです。ギリシア産のフェタは羊乳を使いますが、デンマーク産は牛乳を使っているのが違いです。このため、日本人にはデンマーク産のフェタのほうが食べやすいかもしれません。ギリシア産とデンマーク産、食べ比べてみるのもおもしろいですね。