チーズに使われるカビは毒素なし
「カビ」っていうと、いいイメージを持っている人っていないですよね。ジメジメする梅雨時は特に気になりますし、テーブルに置いてあったパンやみかんにカビが生えたりすれば、そのまま捨ててしまう人も多いはず。カビの生えたままのものなんて食べられませんよね~。それもそのはず。パンに生えるカビは毒素を持ったものなので、食べではいけないのです!
しかし、ひとくちに「カビ」といっても、毒素を持ったものと持っていないもの、2種類があるんです。実は、白カビチーズや青カビチーズに使われているカビには毒素は全くありません。そのまま食べても問題ないどころか、チーズを美味しくさせるのに一役買っているのです。
熟成を助けてくれる微生物
カビは微生物の仲間です。食中毒の原因になる大腸菌やO-157も微生物の一種ですから、ちょっと危なそうに聞こえてしまうかもしれませんが、毒素がないカビは様々な食品に使われています。私たちの食卓に欠かせないしょうゆやみそ、納豆、ワインやビール、日本酒など、いわゆる「発酵食品」と呼ばれるものは、さまざまな微生物の働きによって作られているのです。もちろんチーズもそのひとつ。カビを始めとする微生物が発酵や熟成を助けるのです。
チーズに使われるカビはおもに白カビと青カビです。白カビ(ペニシリウム・カンディデゥム)は酵素を分泌して、その酵素がミルクに含まれるたんぱく質を分解して、アミノ酸にしていきます。また、青カビ(ペニシリウム・ロックフォルティ)は脂肪を脂肪酸に分解する酵素を分泌し、その酵素が脂肪を脂肪酸に分解して青カビ特有の風味や味わいを生み出します。また、表面が白カビで覆われると、身体に害があるカビや微生物が進入しないので、熟成が順調に進むという利点もあります。
「体には全く害はありません!」とはいっても、分厚い白カビが苦手という人もいらっしゃいますよね。そんな方はもちろんカビの部分を取り除いて食べていただければ結構です。何と言っても、その人の好みによって美味しく食べるのが一番ですからね♪