伸びるチーズの代表格はモッツァレラ
そのままチーズを食べるのはもちろんですが、焼いてとろ~っとなったチーズの美味しさといったら、たまらないものがありますね。例えば、ちょっとクセのあるシェーブルチーズも、焼いてみると山羊乳独特の風味がマイルドになり、食感もとろとろになるので、とっても食べやすくなるんですよ♪
さて、焼いて食べると糸を引くように伸びるチーズの代表はモッツァレラ。ご存知ですよね。ピザのトッピングには欠かせないイタリア産のチーズです。でも、どうしてモッツアレラは糸を引くように長~く伸びるんでしょう。
その秘密は製造方法にあります。その名も「パスタ・フィラータ製法」。イタリア語で「パスタ」は生地、「フィラータ」は練るを意味しますから、直訳すれば「練り上げ製法」です。
パスタ・フィラータ製法はとても暑いのです
製法はいたって簡単。ミルクに凝乳酵素を入れて固めたら、生地をシュレッダーで細かく切り、タライに入れます。そこに、ぐらぐらと煮えたった熱湯(100℃!)を一気にザーッと流し入れて、手早く棒でかき混ぜます。そうすると生地はとろとろに柔かくなって、まるでつきたてのおモチのようになります。お湯を捨てながら、更にぐるぐるかき混ぜると、おモチはどんどんねばって、もっともっと伸びるようになるのです。このアツアツのおモチを丸めて作ったのが、みなさんご存知のモッツアレラなのです。
熱湯の中で練ることによって、生地の中に繊維状のものができ、焼いた時にそれらが細長~い糸のようなって伸びるんですね。モッツアレラには、イタリア産の丸型のもの以外に、ドイツ製やオーストラリア製では色が黄色くて四角い形もありますが、作り方はみんな同じ。熱湯の中でぐるぐる練るという「パスタ・フィラータ製法」で作られています。
しかし、100℃のお湯で生地を練るんですから、作業中は湯気がもくもくと上がり、まるでサウナのよう。とっても暑いのです。そんな苦労の中で美味しいチーズが生まれているのです。