「いきなり『ホモ』って穏やかじゃないなー!?」などと驚いてしまった方、ここでいう「ホモ」とは“ホモゲナイズ”の略ですのでご安心を! 「ホモ牛乳」と「ノンホモ牛乳」、この違いを少し説明しておきますね。
相違は脂肪の扱い
牛乳の成分は90%が水分で、さらに、3.4%くらいの脂肪分が含まれています。脂肪分はつまり油。水と油ですから、乳を静かに置いておくとやがて分離します。この脂肪分の層を“クリームライン”と呼んでいます。
でも、スーパーで売られている牛乳には、クリームラインなんて無いですよね。万が一あったとしたら、クリームが詰まってしまって紙パックから牛乳が出てこなくなってしまうかもしれません。
それは大変! ということで、通常販売されている牛乳は、脂肪が上に浮いてこないように加工がされているのです。これが“ホモゲナイズ”という作業。脂肪を細かく砕いて浮上しないようにするのです。
大工場でチーズを作る場合は、このホモゲナイズの処理をされたホモ牛乳を使用します。なぜなら、大量の乳を使用する工場では、乳の集荷も一大作業。輸送中に揺れると脂肪分がバター状になってしまうこともあります。そうなることをあらかじめ防ぐために、乳はホモゲナイズされてから輸送されます。
伝統製法では砕きません
でも、伝統的なチーズの作り方では、ホモゲナイズはしません。乳を半日程度静置しておき、浮いてきた脂肪分を取り除いて(部分脱脂)、残りの乳でチーズが作られることが多いからです。
クリーム分はバターや生クリームになり、残りはチーズになるなんで、『ひと粒で二度美味しい』的な乳の活用法だと思いませんか?