🐑 繊細で誠実な、
羊という生き物からの贈り物

羊乳チーズの個性を語るには、まず羊という動物の性質を知っていただくのが一番かもしれません。
羊は、牛に比べてずっと小柄な動物です。 その性格は繊細で警戒心が強く、ストレスにも弱いという面を持っています。 牛のように広い牧場でのびのびと飼われるよりは、群れで密接な関係を保ちながら慎重に行動するタイプの動物です。
こうした性質のため、羊の乳を搾るのは簡単ではありません。 1日に出るミルクの量は牛の10分の1ほどといわれ、非常に貴重であると同時に、手間のかかる存在なのです。
🥛 口に広がるのは、
静かで力強いミルクの余韻

羊乳の希少性を理解したところで、その乳の性質について詳しく深堀りしましょう。
羊乳の最大の特徴は、その豊かな栄養成分にあります。
一般的な牛乳に比べて脂肪分やたんぱく質の含有量が非常に高く、濃厚でとろりとした口当たりを生み出します。
これは、チーズ作りにとって極めて重要な要素。
脂肪とたんぱく質が多いほど凝固しやすく、旨みの強いチーズができあがるのです。
さらに羊乳は、飲んだときにほのかな甘みを感じることがあります。
この甘みとコクのバランスが絶妙で、チーズにした際はナッツのような香ばしさや、クリーミーでリッチな余韻を生み出すのです。
🧀 コク、香り、余韻。
ひと口ごとに広がる、
羊乳チーズの奥深き世界

希少で栄養価の高い羊乳から作られるチーズには、奥深く豊かな個性があります。
羊乳チーズの大きな魅力は、何といってもその凝縮された濃厚な味わい。
羊乳の豊富な脂肪分とたんぱく質は、チーズに風味の豊かさを与えるのです。
また、チーズを熟成させることで香りや風味に奥行きが加わり、
ナッツやハーブ、焦がしバターのような複雑な風味が感じられるものも。
その豊かな表情は、チーズ通ならずとも、思わずもう一口と手を伸ばしたくなる魅力に溢れています。
🔥 プロが惚れた3種で、
羊乳チーズの美味しさを体感
羊乳チーズの魅力を、ご自身の舌で確かめてみましょう。
チーズプロフェッショナルの資格を持つスタッフたちが、本当に"美味しい"と感じた3種を厳選しました。
それぞれに個性があり、香り・食感・余韻までもが見事に異なります。

フィリップ・アレオス熟成マンチェゴ・クラド・アルチザナル


スペインを代表するチーズ「マンチェゴ」。
夏の間放牧されるマンチェガ種の羊のミルクを使い、
古くから作られてきたハードチーズです。
マンチェゴの特徴は、表皮側面に見られる網目模様。
かつてエスパルトと呼ばれる茅の1種を編んだ帯で巻き成形していたという、
昔ながらの製法の名残が今も残っています。
現在では工場生産のマンチェゴが多く作られていますが、
アレオス氏は農家製のマンチェゴを買い付け、およそ12ヶ月にわたり熟成。
生地はホロホロとした口溶けで、噛みしめるたびに凝縮された旨みとコクが口いっぱいに広がります。
羊乳チーズ独特の臭みやクセはなく、ほどよい塩気と酸味でついつい食べ進めてしまうチーズです。

羊乳製ソフトチーズで、新たなる個性の発見へ!
MOFロドルフ・ムニエ熟成ペッピーノ


美しい村や町があることで有名な、
仏南西部ミディ・ピレネー地方で作られているチーズ。
山羊乳チーズに多い小型のフォルムをしていますが、その見た目通り、
有名な山羊乳チーズ「クロタン・ド・シャヴィニョルAOP」を真似て作られました。
チーズにナイフを入れると、断面には白とアイボリーの綺麗な層が見受けられます。
舌触りはねっとりとしており、
羊乳ならではのコク深さがじんわりと広がっていくようです。
小ぶりながらしっかりと旨みも蓄え、
ほのかに酸味があるためサッパリといただくことができます。
なかなか出会うことのない羊乳製ソフトチーズとして、新鮮でユニークな印象を与えてくれるでしょう。

素朴な外見に秘められた想いとヒストリー。これであなたも羊乳チーズの虜!
MOFフランソワ・ブルゴン熟成トム・ド・レピーヌ


ブルゴン氏が暮らす仏南西部の都市、
トゥールーズ近郊に位置するアヴェロン県で作られるチーズです。
ブルゴン氏はこのチーズの生産者と旅先で偶然に出会い、
羊の飼育やチーズ製造に対する真摯な姿勢に衝撃を受けたそう。
この生産者は家族経営の小規模農家で、
農場の干し草のみを飼料として約300頭の羊を丁寧に飼育しています。
チーズの表皮には鮮やかな黄色いカビが見られますが、
これは自然のままの質の高いミルクを使い、最新の注意の元に作られた証。
見た目は素朴ですが、高品質なミルクの美味しさがぎゅっと閉じ込められ、その繊細な風味をしっかりと感じられます。
ミルクの甘さと香ばしさもあり、長く続く余韻が心地よい仕上がりです。

























羊乳チーズといえばまずはコレ! 王道をじっくり味わいたいものです。