

フランスの大衆食文化を伝える【オーバカナル 赤坂店】
“フランスの大衆食文化を伝える”。そんなコンセプトの【オーバカナル】が、溜池山王駅前のアーク森ビルにオープンしたのは、今から八年前のことでした。
アーク森ビルには外資系の会社が多いため、【オーバカナル赤坂店】には外国人のお客さまが多く、伝票も手書きのフランス語! フランス語で通されるオーダーの声を聞いていると、居ながらにして海外の雰囲気を味わうことが出来るでしょう。
入り口には、8時オープンのブランジェリーも併設されているため、サンドウィッチ、デニッシュ、キッシュなどのテイクアウトも多く、買ったものをそのまま席で食べることも出来るという気軽さもあります。
ランチは、日替わりの肉料理・魚料理がそれぞれ890円ととてもリーズナブル。そのため、ランチの常連のお客さまも多いそうです。日曜・祝日には1,900円のスペシャル・ランチも用意されています。
ディナータイムになると、アーク森ビルと同じアークヒルズにある全日空ホテルの宿泊客の方や、サントリーホールのオーディエンスの方がコンサート前後に利用することも多いのだとか。ちなみに、ディナー・コースは4,000円となります。
チーズを使ったオムレツやサンドウィッチの定番メニュー
フランス人にとっての日常的な定番メニューというと、ハムとチーズのクロック・ムッシュ、オムレツなどが挙げられます。プレーン、ハムとチーズのオムレツなどもありますが、今回ご紹介いただいたのは、細切りのパルメザン・チーズを使った[チーズのオムレツ]。オムレツは、ランチタイムを中心に一日中人気のあるメニューなのだそうです。
サンドウィッチは、ゴマをまぶしたパンの中に白カビチーズの『ブリー・ド・モー』を使ったもの。セミドライトマトとソテーしたナスのマリネが詰められていました。
その他、シェーブルの『ロカマドール』や、青カビの『ロックフォール』を使ったサラダなどもあります。
【オーバカナル 赤坂店】のワインは、ほとんどがフランスのもので、価格帯としては3,000円から1万円までのものが良く出るとか。
このワインに合わせて、フロマージュが用意されています。写真にあるのは、青カビチーズが『ブルー・ド・サスナージュ』と『モンブリヤック』。山羊が『バランセ』、白カビの『ブリー・ド・モー』、ハードの『コンテ』と『ミモレット』、それに冬のチーズであるウォッシュの『モンドール』。
外国人のお客さまには、青カビやシェーブルなどちょっとクセのあるもの、日本人の女性にはブリーのような白カビやミモレットなど、食べやすいものが好まれるそうです。エポワスをシャブリで洗った『アフィネ・オー・シャブリ』のように熟成の進んだ香りの強いものもよく出るそうですが、これも外国人のお客さまの比率が高いためかもしれません。
チーズには胡桃のパン、干しぶどうのパンが合わせて供されますが、これはもちろんブランジェリーで作られたものです。
メニューは手書きの黒板を見ながら選ぶ
今回お話をうかがったのは、赤坂店に来て二年目の店長・芳賀基樹さん。
【オーバカナル赤坂店】は、レストランだけで80席、カフェも含めると140席と、非常に席数も多いため、来客数は一日で1,200人にも上るのだとか。連日かなりの賑わいを見せているようです。
この取材日は、ちょうど「ボージョレ・ヌーヴォー」の解禁日でしたので、これに合わせてディナーに特別メニューが組まれたりしていました。また、夏場にはビールのフェア、人気のある牛ロースのステーキを中心にステーキのフェアが開催されたりと、様々な企画も実施されているそうです。
秋口には食材も豊富になり、ジビエ料理がプラスされるなど、季節によってメニューにも変動があります。このため、その日の料理が綺麗に書き込まれたメニューの黒板がテーブルまで運ばれ、そこからメニューを選ぶことになります。フランスのビストロと同じような雰囲気で、定番メニューからアラカルトを選ぶのも【オーバカナル】での楽しみと言えるでしょう。