
レストランやワインバーなどで、チーズの盛り合わせを頼んだときに、必ず話題になるのが、「どのチーズから食べたらいいの?」ということ。薄く小さくカットされたチーズたちを最大限に楽しみたいんですもん、当然のことです。
「好きなものからでいいんじゃないの~」という意見もありますが、数種類のチーズを、どれもベストの状態で味わうには、知っておいていただきたいルールがあります。
それは「味の淡白なものから味の濃いものという順番で食べる」というもの。
例えば、サンタンドレ、ポン・レヴェック、ロックフォールの三種類が盛り合わせで出てきたとします。いきなり、ロックフォールを食べたら、どうなるでしょう。ロックフォールの塩辛さと青カビのピリリとした味わいは、ほかの2つのチーズの味わいを上回るものなので、その後にクリームチーズを食べると、物足りなくなってしまったり、クリームチーズがもつフレッシュなおいしさが感じられなくなってしまいます。
サンタンドレについても同様です。サンタンドレはバターのような優しい味わいの白カビチーズですが、強烈な味わいのロックフォールを食べた後では、サンタンドレのもつやさしい味わいの良さがわからなくなってしまいがちです。
だから、数種類のチーズを食べるときは、最初にやわらかそうなもの、匂いのあまりしないものを食べ、だんだんとカビがついているものや匂いの強いもの、硬いチーズという具合にランクアップして食べていくのが正解です。こうすると、それぞれのチーズのもつ味わいが、ほかのチーズの味わいに邪魔されることなく味わえるのです。
でも、どうしてもロックフォールが大好きで一番先に食べたいという方。それはそれで、お好きなように召し上がっていただいて結構です。楽しんで食べるというのが一番のルールですから。でも、味わいのルールもぜひ知っておいてくださいね。