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トップページフィリップ・アレオス熟成士> チーズ熟成士の巨匠 フィリップ・アレオス熟成士について

フィリップ・アレオス

取り扱いチーズ一覧

チーズ熟成士とは?

五感を駆使してチーズと対話し、
その味わいを至高のレベルに高める職人

日本ではなじみのないチーズ熟成士の仕事について簡単にご紹介いたしましょう。彼らはまず、農家やメーカーからチーズを買い付けてきます。このチーズ、もちろんそのまま食べても十分においしいのですが、これをさらに熟成させて、味そのものをより上質なものへと変えてしまう、まるで“魔法使い”のような職業です。

熟成士

ウォッシュタイプのチーズであれば、さらにアルコールを吹きかけて熟成を進めてみたり、白カビであれば、温度・湿度を厳密にコントロールして、最良の熟成具合に仕上げたりと、その全てがまさに職人技です。

彼らは、チーズを指で押して、その指の感触だけでチーズの熟成具合を確認します。チーズの端から真ん中までまんべんなくチェックし、手触りと香りなど、五感をフルに使いながらそのコンディションを確かめるのです。その姿は、静かにチーズと対話しているようで、ある意味“芸術的”ともいえるでしょう。

アレオス
チーズ熟成士の巨匠とは?

フィリップ・アレオス氏は、フランスにおけるチーズの熟成基準を作った人物です。パリ凱旋門のほど近くに店を構え、4つの熟成庫であらゆるタイプのチーズを、経験に基づいた確かな技術で最高の状態にへ熟成しています。

仏労働省は熟成士としての功績を認め、世界でただ一人「Maître artisan fromager affineur “チーズ熟成士の巨匠”」の称号を授与。

仏で強い影響力を持つグルメガイド「ゴー・ミヨ」では4年連続受賞。彼が熟成を手掛けたチーズは、仏大統領、英国女王を始めとした各国VIPの晩餐会に数多く徴用され、世界的に高く評価されています。

ショップについて

フランス全土からグルメが集まる町、パリ17区。
故郷ブルターニュと和の雰囲気を纏う佇まい。

アレオス氏のショップはパリの17 区にあり店内はいつも多くのお客様で賑わっています。この通りは美味しいと評判のお店があちらこちらで営業していて、知る人ぞ知るフランス全土からグルメが集まる隠れた食材の宝庫の町です。
2014年、アレオスご夫妻の長年の夢だった店舗を改装をしました。アレオス氏の故郷・ブルターニュをイメージした、新店舗は気品がありながら、シックでモダンな仕上がりです。外観には日本で感銘を受けた「禅」の心を感じられるようにと、フランスでは珍しい笹が飾られ、和の雰囲気もあります。また、内装は熟成庫やブルターニュの船を思い起こさせるデザインで、ゆるやかに湾曲された天井が温かみのある雰囲気を出しています。

アレオス氏のショップ

元々ある雰囲気を壊さない程度に、季節によって花を飾ったり、クリスマスのデコレーションをしたりと来るお客様を楽しませるサービス精神が見られます。
ショーウィンドウの中には所狭しと、それでいて見やすくチーズがずらりと並んでいます。チーズを“ 自分自身の作品” としてとらえているアレオス氏は、自分の子供のように大事に育てたチーズの見せ方にもこだわっています。

写真550x300程度

店内は老若男女を問わず買い物客であふれ、続々とチーズが売れていきます。
「ボンジュール!」と軽く挨拶をかわすと、「ソレとコレと、あとソコのも頂戴!」といった感じで、みんなお目当てのチーズを次々と買っていきます。お店では3人ほどの元気なスタッフが働いており、全員がアレオス氏と同じ赤色のコックコート姿で接客しています。訪れた際には、気軽に声をかけてくださいね。

熟成庫について

4つの熟成庫で180種~250種ものチーズを熟成。
熟成基準を作る手助けになった倉庫とは。

「熟成庫」はアレオスショップからタクシーで5分ほどの距離にあります。地下にハード系・白カビ系・シェーブル(ヤギ乳)系・ウォッシュ系と、4つの熟成庫を完備しています。その広さはなんと300m3(畳で言うと181畳 )!ここは、以前チーズの熟成基準を作るためにフランス政府もこの倉庫を借りに来たという国からもお墨付き(?)の場所です。ここでは常に180種~250 種ものチーズの熟成を行っています。まず、入り口すぐにあるハード系の熟成庫に入ると、棚の上にズラリとチーズが並びます。その一つ一つについて、アレオス氏は、生産地方や乳種、チーズの熟成方法について把握しています。ハードチーズの試食時には「トライヤー」と呼ばれる道具を使用します。チーズの一部をほんの少しくり抜いて味見をしては、香りや味わい、その熟成具合について確かめることができます。 さすがにアレオス氏ともなると、「このチーズはあと○○日の熟成が必要だね。」と、瞬時に見極めることができるのがすごいところで、“ 五感の魔術師” とでも言えるようなプロの技を見せてくれます。見て、聞いて、触って、嗅いで、食べる。五感を磨きあげなければ熟成士にはなれません。アレオス氏も何十年もの下積み期間と経験を経て、このような才能と技術を身につけたのでしょう。

熟成庫

トライヤーでくり抜いた「コンテ」をほんの少し口に含めば、その味わいに思わず唸ります。「コンテ」はフランス一消費量の多いチーズなのですが、やはり彼の熟成するものは他と比べものにならない美味しさです。ナッティーで、ミルクの香りが口いっぱいに広がり、旨みも凝縮されていて濃厚。思わず頬がゆるんでしまうほどです。熟成士が丹精こめて熟成するからこそ生まれる味わいで、召し上がればきっと感動することでしょう。

熟成庫

白カビ系の熟成庫では、「カマンベールAOP」、「ブリー」や「サンマルスラン」など王道チーズがズラッと並び、熟成期間順に棚に並べられています。一番下が入荷してきたばかりのチーズ、そして熟成期間が2~3週間となると、徐々に上へ移動されるのです。生産者から出荷されたままのチーズと、アレオス氏が数週間熟成させたチーズだと、見た目も触感も、全く別のチーズのように変化を遂げます。そうして熟成具合を指で確かめていると、アレオス氏は「そんなんじゃ、チーズと会話は出来ないよ。もっとしっかり声を聞くための触り方があるんだ。」と指導してくれました。 そのコツを上手く説明するのは難しいのですが、指を立てるのではなく、指の腹でしっかりとつまむように持つ。そして回すこと。こうすることで、チーズが均一に熟成されているか、どこまで熟成が進んいるのかを確認できるのです。まさに毎日チーズに触れているから身につく職人技ですね。

熟成庫

ウォッシュチーズの熟成庫は、熟成を進めるために湿度が高く設定してあります。
「この中で、エポワスについてご紹介しましょう。」エポワスは、熟成前の状態では表皮は白っぽくザラついていますが、熟成によって鮮やかなオレンジ色に、中もとろけるような滑らかさになっていくのです。
今回は、その熟成過程の一つである、「マール・ド・ブルゴーニュ」という蒸留酒を吹きかけて直にウォッシュする工程を見せてもらいました。

熟成庫

そして、シェーブルの熟成庫。シェーブルは「最も熟成が難しいチーズ」と言われていますが、アレオス氏の一番の得意分野でもあります。シェーブルには、独特の酸味とツ―ンとした臭みがあると、苦手意識をお持ちの方も多いでしょう。でもアレオス氏はこのように言っていました。
「ツ―ンとするチーズなんてあってはいけない。酸味が強いと思うようなシェーブルがあったら、それは良いシェーブルじゃないね。本来は穏やかで優しいし、甘みも感じられる繊細な味わいのチーズなんだよ。でも、そういうのは少なくなってしまったよね。」
そういって見せてくれたのは、黄色い斑点と白っぽいカビがたくさんできたチーズでした。私たちが驚いていると、「これはシェーブル特有の表現方法で、黄色い斑点があちこちにできるんだ。チーズはこうやって自分で意思を伝えてくれるんだ。この子は今すごくおいしくなってるよって。」まるで自分の子どもを見るような優しい瞳で、そんな愛情たっぷりの言葉を聞かせてくれました。

熟成庫

熟成への思い・こだわり

熟成士の道30年以上。努力と挑戦。
情熱を持ち今も第一線で活躍するスペシャリスト

熟成士としての実労33年になりますが、フランスの地方のチーズだけでなく、海外のチーズについてもスペシャリストになるべく奮闘してきました。一年365日チーズの世話をする傍らで、一年中新しいチーズの発掘もしていますし、熟成の研究やテストも進めていて、チャレンジは欠かせません。様々なチーズに手法を凝らしながら新しい熟成方法を模索しています。挑戦は楽しいもので、素晴らしい発見につながることもあれば、もちろん失敗に終わることもあります。新たな熟成チーズが完成した時は、すぐにお客さまに紹介したくてウズウズしています。

4種類の異なる熟成庫の中で、フランス中、そして世界中のあらゆるタイプのチーズと向き合ってきました。ですので、私はこのタイプのスペシャリストということはできませんが、チーズ全体の専門家でありたいと思っています。情熱を持ってこの仕事を続けてきましたし、同じく熱い情熱を持つ、少ないけれど頼りになる仲間たちに囲まれ、ここまでやってきました。

アレオス氏

まずはじめに、熟成士という職業について説明するために私がよく言うのは“熟成とは、原石を宝石に磨き上げるような仕事である”ということです。しかし、この職業を極めるには、熱意のある素晴らしい生産者たちの協力が不可欠です。彼らがこだわりと信念を持って、良質のミルクから品質の高いチーズを作ってくれなければ、何も始まらないのです。信頼できる生産者が生んだ素晴らしいチーズを元に、私はそこに加えられるあらゆるものを加えていきます。それは、旨味、深み、コク、凝縮感などの味わいであり、滑らかさや砕けるような食感であり、更にはそのチーズの風味を生むための表皮の形成であったり…。それぞれのタイプに合わせて、試行錯誤しながらチーズの持つ秘めたる魅力を引き出しますが、大きく分けてこのような工夫をしていきます:

ウォッシュチーズ
ウォッシュウォッシュチーズはどれも、その名の通り”ウォッシュ”していきます。その材料は様々です。
チーズの特徴に合わせ、私だけが知るこのとできる秘伝のレシピを作り、それを表面に吹きかけたり、拭いたりする作業を繰り返すのです。そうすることでチーズの表面、そして内部に変化をもたらします。塩水であったり、時には私が厳選した様々なアルコール類を使います。例えばビールなら質の高い特別なものを、マール・ド・ブルゴーニュならルイ・ジャドを、ソーテルヌならメゾン・レーニュ・ヴィーニュのグラン・クリュというように、選ぶものにもこだわっています。
シェーブルチーズ
シェーブル山羊乳のチーズは、製造から1週間前後のフレッシュなものが届きます。これをショップに陳列する前に、熟成庫の適切な温度・湿度の中で複数回反転させながら、手の平を使って日々生まれる新しいカビの胞子を拭き取ったりして、熟成を進めていきます。シェーブルにもいくつかタイプがあり、熟成でクリーミーに変化させていくものがあれば、硬めでも「セック」・「ドゥミ・セック」といって、”硬め”または”半分硬め”と、それぞれのチーズに合った熟成感を引き出します。比較的熟成期間の短いシェーブルでも、数週間から数ヶ月熟成できるものもあります。
白カビチーズ
白カビ白カビチーズは比較的に温度は穏やかな部屋で、高めの湿度設定の中で育てていきます。大体3週間から6週間の熟成を要し、白カビとはいっても、表面には様々な色のカビが生まれ、基本的に柔らかめのテクスチャーと深みのある味わいに仕上げていきます。とてもデリケートで、最新の注意が必要なタイプです。
ハードチーズ
ハード

ハードチーズは1週間におよそ1度程度反転させ、拭き作業を行っています。大きなホールチーズを反転させるのは重労働ですが、目にも楽しいチーズがたくさんある熟成庫です。フランスや国外から届く様々なチーズには、それぞれのテロワール(土着)の個性があり、チーズの表面には熟成とともに地域を思い起こさせる様々な斑点が生まれてきます。赤、黄色、白、灰、黄土色など、とてもカラフルで美しいものです。これらの変化がチーズ内部にも伝わり、テクスチャーや味わいに影響していくので、とても楽しいですね。

この仕事では、辛抱強くあることが何よりも大切です。私達の手でチーズを急がすことも出来ないですし、チーズ一つ一つのリズムに合わせて、こちらから視覚、嗅覚、触覚、聴覚、味覚の五感を用いて、静かに、日々歩み寄っていくことです。季節やその年の気候、チーズの生まれた故郷、製造環境、そして美味しいミルクを作ってくれるために動物たちが豊かに喜んで暮らしていくことも大切です。全てが繋がっていて、毎回新しいチーズが出来上がっていくのです。チーズは生きた食品であり、注意深く見守ってあげなければなりません。今でも毎日新しいことを、私は学ばせてもらっています。全ての職人がそうであるように、知識や挑戦に終わりは無いのです。

オーダーチーズのお客様へのメッセージ

以前、オーダーチーズでアンケートを取っていただいて、私のチーズを、多くの方がご家族と、そしてお友達を招いてまで、美味しく召し上がっていることを知り、とても幸せです。チーズの一つ一つにはこの世に生まれた時のストーリー、作られ方や熟成の秘密、それぞれの味わい方があります。チーズを囲めば、いくらでも賑やかな会話が広がるのです。私たちはこれからもチーズのテイスティングを通して、舌で味わう美味しさの感動だけでなく、新たな発見や楽しい会話が生まれるワクワク感をお届けしたいと思います。
私たちは熟成チーズという素晴らしい自然からの産物を、そしてこの職業にかける熱い思いとノウハウを、今までもこれからも、美味しいチーズをお届けすることを通してお客さま方に伝えていきたいと思っています。この歴史ある貴重なフランスの文化的財産を、皆さまが親しい方との笑顔溢れる大切な時間に、美味しく楽しんでいただければ、それは私たち職人にとって、何より喜ばしいことであります。

アレオス熟成チーズに関心をお寄せくださり、改めてお礼申し上げます。皆さまの支えと美味しいというお言葉を励みに、私たちは情熱と喜びを持って、これからも美味しいチーズ作りに励んでまいります。

フィリップ、ラシェル、チームアレオスより
アレオス氏 取り扱いチーズ一覧

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