勝ちどきの【CULB NYX(クラブ・ニュクス)】といえば、倉庫を改造して作られた1980年代後半に一世を風靡したフレンチ・レストランで、黒澤明監督の打ち上げなどにも使われていた。 現在【CULB NYX】は月島にイタリアンの【MARILYN(マリリン)】、お台場やレインボー・ブリッジが一望にできる竹芝に、フランス料理と江戸前寿司のカウンターを備えた【TSUKI(ツキ)】。代官山にテリーヌ専門店【LES ENFANTS GATES(レザンファンギャテ)】。そして、銀座に今回取材をさせていただいたフレンチの【CULB NYX】がある。 2004年にオープンした銀座の【CULB NYX】は、フランスの古典的な料理が主流のため、扉や調度品などの内装も料理にあわせて全てフランスから取り寄せられた19世紀のアンティークで揃えられている。100年前のシャンデリアや棚、なかには200年前のものもあるという懲りようだ。 席数は全体で80席強だが、部屋が幾つかに分かれており、一昔前のパリを思わせるカジュアルな部屋、印象派の画家モネが定宿にしていた部屋をイメージしたジュヴェルニーと呼ばれる部屋、田舎の小さな食卓を模したアルザスという部屋、盛りつけのカウンターを直に観ることのできるテーブルなど、それぞれに違った雰囲気を持っている。決して派手ではない、19世紀のフランスの片田舎を思わせる雰囲気には、肩肘を張らない落ち着きがある。
【CULB NYX】に揃えられているチーズはすべてフランスのもので、セミハードのミモレットは18ヶ月熟成のものが選ばれている。24ヶ月熟成のものに比べると少し柔らかめに見え、いかにも美味しそうだ。ボーフォールは、6月から10月にかけてアルプス山脈の高原で放牧された牛のミルクを使った濃厚なエテが用意されている。 ウォッシュ・タイプのフロマージュはマール酒で洗いながら熟成させたブルゴーニュ地方のエポワス。上部の真ん中のくぼみが特徴的なシャンパーニュ地方のラングルとノルマンディー地方のポンレヴェックは、どちらも表面を塩水で洗ったチーズである。 山羊乳を使ったシェーブルには細長く、木炭の粉で黒っぽい外観が特徴的なサントモールがあるが、ここにあるのはサントモールと同じものだが、フレッシュな状態でフランスから空輸されて来たブッシュ・トラディション・センドレ・フレ。こちらの方が風味もさわやかだとか。香りの良いローズマリーがあしらわれたブシェット・ド・バノンはプロヴァンス地方のチーズで、夏にはぴったりのチーズだ。 白カビのチーズは定番のカマンベール、青カビもフランスの定番ロックフォールが用意されている。やはり知名度の高いカマンベール、エポワスがよく出るそうだが、山羊乳のサントモール、ボーフォールなどにトライするお客様も多いとか。 チーズには胡桃の入ったパンを軽くトーストしたもの、イチジク、杏子などのドライフルーツがいっしょに供される。もちろんハチミツやジャムの用意もしてあるので、そこはお好みで。 ワインもチーズ同様に全てフランスのもので揃えられている。 【CLUB NYX】はフランスの地方料理、クラシックな料理がメイン。そのため、夜のメニューは月ごとにフランスの地方料理がピックアップされている。8月は南フランスをテーマとした料理がコースになっており、上で紹介したプロヴァンス地方のチーズのブシェット・ド・バノンはそうした料理に合わせて用意されている。この月替わりのコースは6300円で楽しめる。 今回紹介していただいた料理は「田舎風のテリーヌ」と「サラダ」だ。
【CULB NYX】は銀座のメインの通りである中央通りに面しているという絶好の場所にある。入り口は少し分かりにくいかもしれないが、ちょっと暗い階段を上ると、通りの人の多さを忘れ落ち着いた雰囲気に浸ることができる。 【CULB NYX】には店内にクレープを専門に焼く場所もあるほど、クレープの人気は高い。特にブルターニュのソバ粉を使ったガレット目当てにおいでになるお客様はかなりな数になるという。銀座へのお出かけのおりは、ランチ・タイムに是非【CLUB NYX】のガレットをお試しいただきたい。オイルサーデン、生ハム、エビ、カニ、チーズなど種類も豊富で、楽しめることは間違いない。 もちろんブルターニュ風の小麦粉のクレープやフレンチのランチも用意されている。 ランチ・タイムは11時半から2時半までで、5時まではティータイム。そこから1時間ほどクローズし、6時からはディナー・タイムがはじまり、9時半からはワイン・バーとなる。 写真は今回お話をうかがった支配人の一戸祐司さん。
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