今日はチーズに関する仕事のお話をいたしましょう。皆さまは「チーズ熟成士」
というお仕事はご存知でしょうか?
チーズを作るのが「生産者」なら、「チーズ熟成士」はその名の通り、チーズ
を熟成して、おいしく食べられるように育てるプロなのです。残念ながら、日
本には、チーズ熟成士という職業についている方はほとんどいませんが、チー
ズ大国フランスには、チーズ熟成士という仕事をされている方がたくさんいま
す。
そもそも「チーズ熟成士」がどんな仕事をするかというと、まずはいろんな生
産者から作りたてのチーズを買い付けます。もちろん、自分のおめがねにかな
った良質のチーズを、です。それを自前の熟成カーブで熟成させていくのです。
“熟成”といっても、ワインみたいに熟成庫でずっと寝かせておけばよい訳で
はありません。チーズはそのままにしておくと重みでどんどん形が崩れていく
ので、定期的に表裏をひっくり返してあげなければなりません。カマンベール
のように300グラム程度のものなら楽なのですが、50キロ近くあるチーズでも、
週に1〜2回はひっくり返さなければいかないので、意外と大変な作業です。
さらに“お肌(表皮)”のお手入れも必要です。そのままにしておくといろん
なカビなどがついてくるので、布やブラシで磨いていきます。そうして、手塩
にかけて育てたチーズは、見事に熟成をしていきます。トロリとやわらかく熟
成したり、旨みがグッと増してきたり、そのチーズにあった熟成のされかたで
店頭に並ぶようになるのです。
まさに“チーズの魔術師”ともいえるのが「チーズ熟成士」なのです。今後は、
日本でも本格的な熟成士さんが出てくるのが楽しみです。