チーズ塾
トップチーズ塾目次>チーズ・凝固のメカニズム その四

チーズ・凝固のメカニズム その四


これまで、ミルクを凝固させる方法として、レンネット(凝乳酵素)での凝固、
乳酸菌による凝固、熱による凝固をいうものをご紹介してきました。
今回は、ちょっと変わった凝固方法をご紹介いたしましょう。

まずは、朝鮮あざみ(わかりやすくいうと、アーティチョークだと思ってくだ
さい)のおしべを使う方法。これは今でもポルトガルチーズには一般的に使わ
れている方法です。
朝鮮あざみの花が咲く、6月頃。朝鮮あざみからおしべを摘み取り、おしべに付
いている粉末を取り出します。これをミルクに入れると、あら不思議! レン
ネットを入れたときのように、ミルクが固まるんです。きっと凝乳作用がある
酵素が含まれているんでしょうね。一般には、動物性のレンネットより凝固力
は弱いので、やわらかめのチーズができるといいます。

さらに変わったところでは、いちじくの樹液。今では使われていないそうです
が、ギリシアチーズの『フェタ』は、今でこそレンネットを使用していますが、
かつては、このいちじくの樹液でミルクを固めていたこともあるそうです。
なんといってもフェタは、ギリシア神話の時代から作られていたといわれるよ
うな、とても長い歴史をもつチーズ。いちじくの樹液で作られたフェタの食感
はどんなものだったのか、想像するもの楽しいものです。

東南アジアでどうだったんでしょう。インドネシアでは、パパイアの葉で水牛
のミルクを固めたりもしているらしいですよ。

これらのちょっと風変わりな凝固方法は、きっと何かの拍子でそういったモノ
がミルクに入ったのが始まりなんでしょうね。しばらくそのまま置いておいた
ら「あら、ミルクが固まっているじゃない。まぁ、おいしい。これは使えるわ!」
と誰かが気づき、どんどん利用が広まっていったんでしょう。

生活に密着したミルクの利用法、ミルクの保存法として、チーズやチーズのよ
うなものが古くから存在し、人々に愛されてきたことがわかりますね。