
修道院で作られ始め、なんと2,000年もの歴史を持ち、“フランス最古のチーズ”だといわれているのが、この『ライオルA.O.C』です。この名前は、ライオルという小さな村の名前から取られていて、ライヨ−ル、又はライオールと呼ぶこともあります。
年間生産量は、590t(1991年)と少ないので、なかなかお目にかかる機会がありません。広く知られている『コンテ A.O.C』の生産量は 38,000t にもなりますから、ライオルが“幻のチーズ”とも呼ばれるのもうなずけます。
ライオルは、ルエグル地方のセミハードタイプのチーズです。この地方では、今でも親しまれている伝統的なチーズ料理「アリゴ」が有名です。このアリゴには、ライオルの「トム」が使われます(「トム」とは、チーズの製造工程の初期段階でカードを粉砕して圧縮機にかけた段階のチーズのことです)。ライオルが入手できない場合は、カンタル、トム・デ・サヴォワ、ラクレットなどで代用する場合もあります。
このアリゴの作り方ですが、ライオルに、裏ごしした2倍量のジャガイモを混ぜ合わせ、生クリーム、にんにく、塩、胡椒で味を整えるだけという、とってもシンプルな作り方です。実際に食べてみると、味わいはとっても優しくて素朴な味です。調理中も、最初はボソボソしていたものが、最後にはのび〜るソース状になるので、作っていると楽しくなってくるでしょう。現地の人が作ると2〜3mも伸びるので、レストランではパフォーマンスしながらサーブされます。
アリゴのような「じゃがいも&にんにく&チーズ」のとり合わせといえば、昔ながらのチーズ料理によく見かけられます。これらの食材は、厳しい寒さと貧しさに耐えるため、現地の人々を温めてきた冬の食卓の強い味方でした。
ぜひ、フランス最古の幻のチーズ『ライオルA.O.C』に思いを馳せながら、アリゴを作ってみてくださいね。 |