
サン・ネクテールは、オーヴェルニュ地方のチーズです。オーヴェルニュ地方といえば、厳しい山岳地帯であり、フランス最古のチーズといわれている「カンタル」をはじめ、「ロックフォール」や「フルム・ダンベール」など、数多くのA.O.C.チーズを作りだしている地域としても有名です。
標高1,000mの高原、豊かな牧草など、良質のチーズ作りにはとても有利な条件が揃っています。そして、チーズ作りには欠かせない濃厚なミルクを産乳することで有名な「サレール牛」が育てられています。原種は“野牛”ともいわれている角が長い名牛で、チーズ作りに最適な良質な牛乳を与えてくれます。
こうした好条件のもとで作られるサン・ネクテールは古い歴史をもつチーズですが、ルイ14世の食卓に登場したことがきっかけで、有名なチーズの仲間入りしました。
その味わいは、ねっとりとした口当たりが特徴です。甘味よりも塩味がきつく、強い風味のあるクセのあるチーズです。ミルクの芳醇な香り、というようなものではなく、ワラの乾いた匂いがします。チーズに貼られた緑のカゼインマークが、楕円形の形をしていたら農家製(フェルミエ)、正方形なら工場製(レティエ)と見た目で区別できるようになっています。 |